四月の法話 「花まつり」
季節は4月になり、桜の花が満開で春爛漫の好季です
4月8日はお釈迦さまのお誕生日に当たりますので、お祝いに「花まつり」が行われ、それは花御堂(はなみどう)を時花(じけ)の花で飾り、釈迦牟尼仏の頭上から甘茶(干した甘茶の葉を煮出した飲み物)を灌(そそ)ぐ行事です。
お釈迦さまはルンビニー(ネパールの南部タライ平原にある村)の花園で誕生されたと言われ、この世に出てすぐに東方に向かって七歩(ほ)歩いて右手の人差し指で天上を指し、左手の人差し指で大地を指して「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)と言ったと伝えられています。その姿を現したのが誕生仏です。
この「天上天下唯我独尊」は、「この世界で俺だけが偉い」という意味ではなくて、この世界において誰とも代わることができない人間として、しかも何一つ加える必要もなくこのままで尊いという意味です。
その花御堂は時花の花で飾られますが、かつては旧暦(太陰太陽暦)でしたので現代の暦とは一ヶ月余り異なり、5月頃になると野山にはタンポポやレンゲの花が咲き乱れていますので、それらの花々でお堂を飾ることができるのです。
わが国は、一応仏教国なのですが、お釈迦さまのお誕生日が人びとに余り知られていません。一方、キリスト教徒でもないのにイエスキリストのお誕生日はお祝いしています。仏教徒である私たちはお釈迦さまのお誕生日を多くの人びとで盛大にお祝いしたいものです。
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