幸福こうふくに生きぬく糧

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12月法話「癒(いや)しの光」

 師走になると街角はクリスマス一色になります。近年、全国各地でイルミネーションを用いた地域づくりが盛んです。確かにイルミネーションは人びとの心を癒してくれます。年々香川県内のあちこちで、屋敷全体にイルミネーションを施した家が増えてきました。光に癒しを求める人びとの多さは、もしかすると現代社会の闇の深さを示しているのではないか、という気がしてなりません。わが国は本当に平和なのでしょうか。

かつて訪れた中国・敦煌(とんこう)の人びとは、年間雨量二十ミリという過酷な気象の中で、自然と共に力強く生きていました。物質的には決して裕福とは言えない生活の中でも、人びと、特に子供たちの明るい笑顔が印象的でした。物質的には何不自由のない贅沢な生活の中で、人類は果たして幸福(しあわせ)を感じ、人生に満足できるのでしょうか。中国・西安市郊外の地下の要塞(ようさい)で眠る秦の始皇帝は、富と権力を得たあとに、生命(いのち)をいつまでも保ち続けたいと念願し、仙人になる薬を蓬莱(ほうらい)島-日本に求めたといわれています。

人間の欲望は限りなく起こるものです。古人は「お金は死んでもあの世には持って行けない」とか「金持ちになっても金におごらず、おぼれず」と苦言を呈しています。私たちは常日ごろから、自分というものに与えられた、肉体と環境と運命に感謝し、自分や周りのすべてのものが持っている特性を最大限に生かし、生き抜くことが、わたしたちに課せられた使命であると認識すべきなのです。イルミネーションの光は自らのこころの中に灯すべきなのです。